行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しております。
建設業の仕事は、建替えや改装の方が昨今多くあるのかなという印象があります。
注意しないといけないのが、昔の法律ではよかったけど、今はダメとなっている事があるという事です。特に注意が必要なのが石綿(アスベスト)です。
石綿(アスベスト)とは
石綿は、天然の繊維状鉱物で、「いしわた」・「せきめん」とよばれています。私の小学校時代にアルコールランプで火をあぶる際に石綿付き金網を利用したりと非常に身近な存在でした。
しかし、石綿の繊維を吸引するとじん肺、肺がん、中皮腫等の原因となるので、2006年9月から製造・輸入・使用などが禁止となりました。その為、それ以前に着工した建築物等には防火・保温・断熱等の目的で石綿が使用されている事があると思われます。
こうした事情を鑑みて、建築物の解体・改修工事を行う場合には、事前に石綿が使用されているか確認とその報告義務が課されるようになりました。
事前調査する必要があるのは・・
解体・改修・各種工事を行う施工業者には、石綿が含まれていないか事前調査義務があります。では、どの程度の規模の工事だと必要かですが、すべての工事が対象となります。
その中で、一定規模以上の工事は、施工業者(元請事業者)が労働基準監督署と都道府県等に対して、事前調査結果の報告をあらかじめ行う必要があります。そして、以下に該当する工事が報告する必要があります。(石綿がない場合も報告が必要です)
工事の対象 | 工事の種類 | 報告対象となる範囲 |
---|---|---|
すべての建築物 (建築物に設ける建築設備を含む) | 解体 | 解体部分の床面積の合計が80㎡以上 |
すべての建築物 (建築物に設ける建築設備を含む) | 改修(1) | 請負金額が税込100万円以上(材料費も含めた工事全体の請負代金) |
特定の工作物(3) | 解体改修(2) | 請負金額が税込100万円以上(材料費も含めた工事全体の請負代金) |
(1)建築物の改修工事とは、建築物に現存する建材に何かしらの変更を加える工事のことで、建築物の解体工事以外のものを指す。リフォーム、修繕、各種設備工事、足場の設置、塗装や外壁補修などであっても既存の躯体の一部の除去・切断・破砕・研磨・穿孔などをともなうものを含みます。
(2)定期改修や法令などに基づく開放検査などを行う際に補修や部品交換などを行う場合を含みます。
(3)報告対象となる工作物は以下になります。(事前調査自体は以下に限らずすべて必要です。)
★反応槽、加熱炉、ボイラー、圧力容器、煙突(建築物に設ける排煙設備などの建築設備を除く)
★配管設備(建築物に設ける給水・排水・換気・暖房・冷房・排煙設備などの建築物を除く)
★焼却設備、貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)
★発電設備(太陽光発電設備・風力発電設備を除く)変電設備、配電設備、送電設備(ケーブルを含む)
★トンネルの天井板、遮音壁、軽量盛土保護パネル
★プラットホームの上家、鉄道の駅の地下式構造部分の壁・天井板
報告対象となる工事に該当した場合には、石綿事前調査結果報告システムにて報告する事になります。
現状、システムからの報告が困難な場合は紙による報告でもできるようです。
詳細は、石綿総合情報ポータルサイトをご確認ください。