工事経歴書は必ず作成する

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行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しています。

工事経歴書を実績なしにすると

建設業許可業者には毎年決算変更届を提出する義務があります。
そして、決算変更届の中に工事経歴書と言う書類があります。

これは、1年間でやった工事のうち金額の高い方から10件から13件記入します。
※経審を受ける場合は別途作成方法に決まりがあります。

で、この工事の実績がない場合でも作成はします。
その時は、工事経歴書に「工事実績なし」と記入します。
これにより、1年間工事をしませんでしたとなります。

しかし、実は工事をやっていたのに、「工事実績なし」と工事経歴書に記載しても、通常、その他の書類に問題がなければ、この状態で行政は受理してくれます。
しかし、これが後々問題になることがあります。

実績なしは経験なしとされる

決算変更届は、届出なので形式的な間違いがなければそのまま受理されます。
そして、実績なしとなっている工事経歴書が受理されることで、その年度は工事の経験はないですと報告した事になります。
それが何か問題があるのか?と思われる人もいるかと思います。
実はこれが大きな問題となる事があります。

もう一度よく考えてください、経験がないと自ら申告したという事がどうなるか?
実際にあった事ですが、先代の社長が引退するに伴い、経営業務管理の責任者と専任技術者を次期社長に交代しようとしました。
次期社長は、息子さんで、20年以上勤続していました(取締役も15年以上)。
因みに、こちらの会社は、建具工事と内装工事の2業種を持っていました。
最初に建具工事を取得して、その後に内装工事を業種追加(どちらも昭和の時代に)しています。
ですが、2業種の工事経歴書の作成が大変だからと言う理由で、建具工事の工事経歴書だけ作成して内装工事は、ずっと工事経歴書を「工事実績なし」で提出していました。
そして事件が起きます。

専技の実務経験期間がない!

建具工事については10年分問題なくでしたが、内装工事については、「工事実績なし」と言う工事経歴書をずっと提出していたので、審査担当者に内装工事の実務経験は認められませんとして、次期社長は内装工事の専任技術者になる事が出来ませんでした。
その結果、内装工事は一部廃業することになりました。

たとえ金額が安くても

500万円未満(税込)の工事は軽微だから工事経歴書に記入しなくてよいと言う何の根拠もない話が出回っているようです(相談で何度か聞いております)。
金額は関係なく、やった工事は必ず工事経歴書に記載しましょう。
たとえ、許可業者であっても、実績があった事を届出してないと、実務経験として認められません。
作成書類が多くなり手間もかかりますが、たかが決算変更届の書類が、あなたの資産になります。

行政書士事務所てつま
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