行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しております。
2024年12月より、主任技術者・監理技術者が以下の工事を兼任できるようになりました。
1 請負金額の上限
・工事1件の請負代金が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること。
2 兼任できる現場数
・最大2現場まで兼任可能。
3 現場間の距離
・通常の移動手段で片道2時間以内。1日の勤務時間内に巡回可能な距離であること。
4 下請次数の制限
・元請から数えて下請次数が3次以内であること。
5 連絡員の配置
・各現場に監理技術者との連絡を担う連絡員を配置すること。
・連絡員は実務経験1年以上が望ましい。
6 ICTによる施工体制の確認
・CCUSなどの情報通信技術を活用し、遠隔から現場の施工体制を確認できること。
7 人員配置計画書の作成・保存
・兼任状況、移動時間、連絡員の情報などを記載した「人員配置計画書」を作成すること。
・工事現場に備え置き、工事完了後は営業所で保存(通常5年間、住宅新築は10年間)。
8 情報通信機器の設置
・スマートフォンやタブレットなどの通信機器を現場に設置し、遠隔から状況確認が可能な環境を整備すること。
これらの条件を全て満たしてないといけないのですが、近い現場ならいいと言う話だけが独り歩きしているようです。いわゆる現場都市伝説ですね。
ただ、この兼任の制度が出来た事で問題となることが出てきました。
技術者兼任制度の改正がもたらす現場の懸念
2024年12月より、主任技術者・監理技術者が以下の工事を兼任できるようになりました。
この制度改正により、技術者の柔軟な配置が可能になる一方で、地域の建設業界では「仕事量の増加」や「実質的な賃金引下げ」への懸念が広がっています。
全国建設業協会(全建)が2025年6~7月に実施したアンケートでは、以下のような声が寄せられました。
・技術者が複数現場の兼任を避ける傾向
・実質的な賃下げ、工事書類作成の負担増
・労働時間規制により兼任が困難
・大手企業と中小企業を同一制度で管理することへの不安
・特定企業の受注機会拡大による不公平感
一方で、制度改正を歓迎する意見もあり、特に公共工事の発注方法の見直しを求める声が目立ちました。
特定の人ばかりやらされる
良くある話ですが、できる人に仕事が集中してしまう。
また、人員が足りてない会社がまだまだ多くあるのかと思います。
対応策的なことを考察しますと
・人員配置計画書の義務化
兼任状況や移動時間、連絡体制を明記した計画書の作成・保存を義務付けることで、無理な兼任を抑制します。
・連絡員の配置要件
各現場に連絡員を配置し、技術者の負担を分散。連絡員には一定の実務経験が求められ、現場対応力の底上げにもつながります。
・ICT活用による遠隔管理
CCUSなどの情報通信技術を活用し、現場の施工体制を遠隔から確認できる環境を整備。物理的な移動負担を軽減します。
・労働時間規制との整合性
兼任による拘束時間が労働基準法に抵触しないよう、勤務時間の管理と記録を徹底する必要があります。
・報酬体系の見直し
兼任による責任や業務量に応じた報酬体系の整備が求められます。企業内での評価制度や手当の導入も検討すべきです。
・若手技術者の育成支援
兼任制度に頼りすぎず、将来的な技術者確保のために若手の資格取得支援やOJT体制の強化が重要です。
まとめ
技術者兼任制度は、建設業界の人材不不足や現場の効率化に対応する有効な手段ですが、運用次第では特定の技術者に過度な負担が集中するリスクもあります。制度の趣旨を踏まえた適切な運用と、企業・業界全体での人材育成・労働環境改善が不可欠です。




