東京都が原本提示をなしにした

行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しております。
さて、令和5年度の手引きにて、東京都は原本の提示を不要としました(原則)。
これは非常に大きいですね。
今までは申請時などに銀行通帳や契約書と言った大量の原本資料を持参していかねばならず、忘れ物がないかなど非常に気を使っていました。

調査時には原本を預かります

窓口での原本提示は不要となりましたが、それでも私は契約書、注文書・請書、請求書、そして入金資料(銀行通帳)の原本を預からせて頂いております。
やはり隅々まで相談者のリソースを確認をしないと、建設業許可の取得ができるかどうかの判定ができないと考えています。
これだけあれば大丈夫という判断は、普段から東京都とやりとりをしている私がするのが最適です。また、後からこれをお願いしますとなると時間を無駄に消費します。
私の相談者の中には「来月までに建設業許可を取得しないと契約をしてもらえない」というような事例がたくさんあります。
素早く判定するためにもお手元にある資料の原本をあるだけお送りくださいと伝えています。

原本を隅々まで確認していたからこそ

先日申請に行った際に、在籍確認の資料として確定申告書のコピーを提示しました。しかし、その確定申告書の様式があまり見慣れたものではありませんでした。
原本一式を預かっており、あまり見たことがない様式だなと思いつつも、税理士事務所の方がきちんとファイリングしているものでしたのでこういうものなんだろうと思って必要箇所のコピーを取って提示しました。
しかし、審査担当者からは、「普通はこういう様式ですので、これは違うのでは?」・・・何をもって普通というのかですが、建設業許可の申請窓口は形式審査を行っている場所と考えると、見慣れない様式が来ると疑問を持つというのはあるある話です。
多様性という所からある意味一番遠い所にいますからね(笑)
しかしながら、それが正規の申告書として提出されていることは間違いないので、私は、これが正式に提出されたものですと伝えました。
必要ならファイリングされている申告書一式を見せるかと考えていましたが、書類に「この書類が確定申告書として提出されたものです。」と一筆書いてくださいということで受理となりました。
今回は原本提示まではなかったですが、今後も起こりえることです。原本をしっかり確認していたからこそ自信をもって回答できますし、必要なら提示できる状態にしておけますので、必ず原本を預かるようにしておこうと改めて考えました。

【宅建免許】宅地建物取引士証は住所変更必要

行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しております。

普段は建設業許可について書いていますが、隣接する業種として宅建免許と産廃収集運搬(積保なし)についても折を見て触れていこうかと思います。
で、宅建免許の話題となりますが、件数はそれほどやってないのですが、建設業許可を取得した会社様から依頼を受けることがあります。
気を付けないといけないのが、宅建免許と宅地建物取引士登録名簿は情報連携してないという点です。

宅建免許の変更届だけでは済まないことがある。

宅建免許にて更新や変更届というお手続きをして一安心となるかと思います。しかし、宅建協会への報告がある場合もあるので、こちらも注意がいるのですが、専任の取引士そのものは変更がないけど実は住所が変更されていたという場合があります。
更新の書類にて専任の取引士の略歴に記載する住所が前回と変わっている場合、窓口の担当者から専任の方の住所変更が出てないですよと言われることがあります。
建設業の場合、経管や専技の住所が変わってもそれを更新申請書に記載すればそれで済みます。
しかし宅建免許の場合、宅地建物取引士証の住所は別途変更届を提出しないといけないです。
宅地建物取引士証は発行している行政が名簿という形で管理をしています。これは、会社の情報と連携しているものではなく、あくまでも取引士証の情報だけを管理しているものです。
その為、引っ越しをしたら、届出をしてさらに新しい住所内容が反映された宅地建物取引士証を交付してもらう手続きをしないといけません。

法定講習の受講を忘れた

あと、宅地建物取引士証には有効期限があります。その有効期限が切れる前に法定講習を受けて新しい宅地建物取引士を発行してもらう必要があります。
これは非常に重要です。もし、有効期限が切れて講習を受けた場合、宅地建物取引士証は発行されます。しかし、有効期限が切れてから再発行までの空白期間が出来ます。
行政によりますが、おおむね2週間以上の空白期間があると、別途業務報告書の作成提出と併せて従業者証明書のコピー、従業員名簿のコピーの提出が求められます。
この空白期間は専任性がなかったとみなされてしまいます。そして、宅建業者の義務が果たされていたかどうか、確認されます。
※宅建免許の担当者は宅地建物取引士の名簿データの確認ができますので。

監視下にあるということを認識すること

建設業許可同様に宅建免許を取得したものは、行政の監視下にあるということをしっかり認識する必要があります。ちょっとぐらい良いだろうという気持ちでいると、最悪逮捕されますので。
建設業許可同様に宅建免許も国家が国民の財産を守る義務の観点から定められた制度です。すでにお持ちの方、これから取得を考えている方、その点についてしっかりと意識して日々業務をして頂ければと思います。

解体工事ができない?

解体工事の登録をしている業者が、土木一式と建築一式を取得したらその旨を行政に報告するとなっているけど、この報告をしたら解体工事の登録名簿から削除されるんだよね?

そうだよ。

でね、知り合いの業者が、そうなると解体工事が出来ないじゃないか?といってたんだけど・・・

いや、できるよ。

そうだよね。知人の業者が建設業許可の手引見たらできないと書いてある的なこと言ってきて(*_*;

どこに書いてあるのかむしろ知りたいなぁー(;^ω^)解体工事業という許可種目が増えてから解体工事の混乱がまだまだあるようだね。

なんかややこしくなってきて、契約する時に説明するのが大変なんだよね。作るのと壊すのはどちらも同じ専門技術で解体工事になるのは一棟解体して更地にするような工事だよと言うけど、ほとんどの人が???となるんだよね。で、解体工事登録だといわゆる内装解体もできるという説明があるし・・・

確かにね。制度のねじれがあるところだね。話を戻すと、土木一式や建築一式を持っている業者はある種、みなしの解体工事登録業者と考えればわかりやすいかな。もし、一棟解体して新しい建物を建てる場合は建築一式の工事内容になるけど、解体して更地までの解体工事もすることは可能なんだよ。

なるほど!みなしの解体工事登録ね。それはいい説明言葉だ!

正式名称ではないけど、そう言えば大概の人は理解してくれるよ。注意は、解体工事登録と同じく500万円未満(税込)までしかできないからね。

そうだね。500万円以上(税込)の契約するには建設業許可が必要だからね。

だね。ただ、ややこしいのが、建設業許可を取ろうとした際に解体工事登録業者の行った工事内容が解体工事の実務と評価されない場合が結構あるんだよね。さっきでた内装解体は建設業法に従えば内装工事業に該当するってなるんだよね。

ウーーーん( 一一) 悩ましすぎる・・・

制度の見直しなど今後に期待するしかないね。行政によって建設業許可の場合と解体工事登録の場合の違いが理解がしっかりできてない場所もあるみたいで、私のお客様でも区役所とかでもめることがよくあるよ(はぁー)

法律で定めていることについて各行政がしっかりと理解して対応して欲しいよね。

電気工事の実務経験は2種類?

行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しております。
電気工事業の許可を取得する場合において専任技術者の実務経験は?と考えた時に少し問題があります。
都道府県によって運用に違いがあるのですが、東京都の場合は第二種電気工事士の場合3年の実務経験が必要とされています。さらに、第二種電気工事士の免状の取得した日から3年となっております。
つまり、ほかの業種のように10年実務といったことで対応が出来ないとなります。
※今回の記事は東京都の運用に基づいてます。他の行政によっては電気工事を10年実務で認めている場合がありますので、申請予定の行政にその旨確認をするとよいかと思います。

電気工事士法があるので

ではなぜそのようになっているかですが、電気工事をする場合、実は電気工事士法により電気工事士の免状がない人間が配線工事などをしてはならないとなっております。そのため、法律に従った工事でないものは違法工事であり、違法な実務経験を認める訳にはいかないという考えに基づいていると言えます。
では、第二種電気工事士を持っていれば良いかと言うと、それだけではないのですよね。先に述べた電気工事士法では、電気工事業者の登録をすることという内容が定められています。
なので、第二種電気工事士の免状を取得後にこれだけの電気工事をやりましたと証明書類を用意します。しかしながら、審査担当からきっとこのような質問が来ます「電気工事業者の登録をしてましたか?」「はい!しています」と回答ができる方は問題ないですが、してない場合はどうなるか?

電気工事士の資格がなくてもできる電気工事は確かにあるけど・・

その時の運用によりますが、違法工事の自白をしていることになります。処罰については担当部署が違いますので、建設業許可担当から出る可能性は低いですが、実務経験としては認定されないと考えられます。
しかしながら、電気工事の内容によっては電気工事士の免状がなくともできる電気工事があります。ただ日曜工作でやるような内容と思われますので、工事として認定されるか怪しいです。
私の所に来た相談でも電気工事士が不要な工事があるじゃないか?と息巻く人がおりますが、どんなものですか?資料ありますか?と、資料を預かります。正直見ただけで工事に該当しないと判断されるなと感じつつも、念のため東京都の窓口に出向いて確認はします。ですが、ほぼほぼ、工事に該当しないとの回答を頂きます。

実務経験不要な資格ならばよいか?

回答としては、良いですとなります。
第一種電気工事士、1級・2級電気工事施工管理技士という資格であれば実務経験不要で専任技術者になれます。一般建設業許可の電気工事であれば、第一種電気工事士が一番理想的です。実はこちらであれば、先ほど出ました電気工事業者の登録がその免状だけでできます。建設業許可を持っている場合はみなし登録と言いますが、無料で登録ができるようになります。
※建設業許可があればよいので、業種は電気である必要はないです。
みなし登録まですれば、500万円以上の契約をして工事の施工まで行うことができるようになります。
もし特定建設業の電気を取得したい場合は、第一種電気工事士の資格と1級電気工事施工管理技士の資格両方が必要となります。

実務経験が2種類とは?

ようやくタイトルに戻りますが、電気工事の場合、建設業許可での経験と登録電気工事業者で経験は別に取り扱われています。
もし、電気工事士が不要な電気工事の経験が認められ、第二種電気工事士を専任技術者として建設業許可の取得ができたとします。
因みに、登録電気工事業者の場合は主任電気工事士というのを設置するのですが、第二種電気工事士の場合は建設業許可同様に3年の実務経験が必要です。で、建設業許可で3年の実務経験が認められたので、主任電気工事士になれるかというと結論なれないです。
何故かと言うと、東京都の場合、主任電気工事士になるための実務経験は主任電気工事士の指示の下で行った工事であることとしています。
つまりは、登録電気工事業者もしくはみなし登録をしている業者での経験でないと認めないとなっています。そうなると、建設業許可の電気工事は取得できたが、みなし登録ができないとなります。
現行運用では、500万円以上の電気工事の契約はできるが施工自体は登録している業者に出して、自身は監督を行うのであればよいとよとされています。
このことから、建設業許可の場合と登録電気工事業者(みなし登録含む)の場合とで実務経験が2種類存在するようになります。
管轄が違うために起きる現象であります。

一般建設業だと請負金額に制限がある?

行政書士蔵本徹馬です。
建設業許可取得人として日々活動しております。
さて、やっとの思いで建設業許可を取得した。これで、請負金額の制限なく契約できるぞー!!と張り切っている方がたくさんいるかと思います。
しかしながら、現場で「一般建設業は4500万円未満しか契約できない」と言われたけど、とご相談をよく受けます。これもまた大いなる勘違いから起きております。
現場都市伝説の一つとも言われております。

元請か下請かで違うんです!

この現場都市伝説の中で重要な要素が抜け落ちていることが多いんです。
それが、元請なのか?下請なのか?です。
もし、下請であるという場合は、ずばり請負金額にも下請金額にも制限ないです。
ここがポイントです。下請であるということです。
こちらの記事を読まれている方が下請であるなら、極論述べますが、10億の契約をしてもいいんです。そして、下請に9億出してもいいんです。
※現実問題としてこのようなシチュエーションになるかは別ですが・・
まずは、下請であるということを最初に確認してください。
この時は一般建設業許可か特定建設業許可かということについては問題になりません。

「下請に出す金額総額が4500万円(税込)を超える場合特定建設業が必要」がひとり歩き

では、なぜこんな現場都市伝説が生まれたのでしょうか?
それは、「下請に出す金額総額が4500万円(税込)を超える場合特定建設業が必要」という言葉だけがひとり歩きしていると私は推測します。
この言葉だけを聞いたら、一般建設業許可業者の方は、4,500万円未満の契約が出来ないと思ってしまいますよね。
しかし、それでは何のための建設業許可かとなります。
考えて頂きたいのが、超大型プロジェクトをスーパーゼネコンが元請で契約しました。それをあなたの会社に下請に出したい・・・一般建設業許可だから、4500万円未満の契約しかできないとなってしまいます。しかし、ここで今一度思い出して欲しいが元請の責任です。

元請は全下請に対して責任を持つ

元請は一次請業者以降の下請に対しても責任を持ちます。また、二次請に出す金額も元請が一次請業者に出した金額の中身であると考えればわかりやすいかもしれません。
現在ではあまりないかもしれませんが、三次、四次、五次・・・といったとしてもそこに流れている金額は、元請が1次請に出した金額であると言えます。
で、先ほどひとり歩きしている「下請に出す金額総額が4500万円(税込)を超える場合特定建設業が必要」に「元請が」という主語を付けて頂ければと思います。

下請に出す金額制限の結果として請負金額が制限

特定建設業は発注者の工事を完成させることと下請への支払が確実にできることを担保する財産能力があることを求められます。ですので、一般建設業者が大型工事の元請であると、財産能力について不安があります。そこで、下請に出せる金額を制限することで、その結果として請負ができる金額に制限がかかってくることになります。ただ、この場合の請負金額の制限は法的ではない点ご注意を。
これもまた、極端な話になりますが、2億の工事を元請で契約して下請に出す金額を4,400万円(税込)にすれば、一般建設業許可業者でも問題はないです。けど、現実問題としてこのようなことはできないですよね。
ということで、くれぐれも現場都市伝説に振り回されないようにしてくださいね。

行政書士事務所てつま
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